SALON_Y2月のテーマは「腸内環境改善に必要な”発酵”と”菌活”のこと」
セミナーを通じてお伝えしてきた”発酵”の素晴らしさ。
まだまだ知らないことがいっぱいの発酵の奥深さと面白さ。
SALON_Yメンバーたちともその思いを共有したい、ということでゆみえさんと一緒に体験してきた里山十帖での”発酵ステイ”のすべてをレポート。
SALON_Yが大切にする”自然に寄り添ったくらし”のすべてがここにはありました。
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越後湯沢からさらに20分ほど入った里山にあるお宿、里山十帖。
雪深い土地ならではの発酵・保存食を生かした発酵ガストロノミーに、シェフによる発酵部屋ツアー、ここはまさに発酵ステイの叶う宿。
料理長の桑木野さんが作るお料理は世界各国で学んだヴィーガン料理をベースにしつつ、
その土地の風土や文化に寄り添った「里山十帖 料理十条」に則ったもの。
「料理十条」
一、料理を通じて、体験、発見、感動を提供する。
二、二十四節気、七十二候。日本の暦に逆らわない料理を作る。
三、新潟の風土、文化、歴史を学び、料理に表現する。
四、古来伝承の発酵・保存技術を学び、活かし、料理に取り入れる。
五、食材はできるだけ近くから。食材に旅をさせない。
六、山菜、伝統野菜、有機栽培の野菜など、生命力の強い食材を使う。
七、動物を無用に苦しめず、命に感謝していただく。
八、野菜は皮や根、茎まで、魚や肉は骨まで、余すところなく使い切る。
九、無添加、天然醸造の調味料を使い、化学調味料は一切使用しない。
十、美味しいこと、美しいこと、健康で幸せに生きる料理であること。
Messege from 桑木野恵子
里山十帖の料理が目指している「ローカル・ガストロノミー」とは、地域の風土・文化・歴史を表現した料理のこと。発酵部屋では味噌や発酵調味料を醸造しているだけでなく、様々な漬物、そしてハムなども作っています。
その昔は当然だった自然と共存する暮らし。 人は水、空気、食べ物がなくては生きられません。 風土と文化に寄り添いながら、自然の恵みに手を合わせていただく。里山十帖では、そんな料理の基本に忠実に、 人間が持つ「野生」が目覚める料理を作りたいと思っています。
———自然との共存、共生、なるべく不自然でないことを丁寧に積み重ねていく。
桑木野さんのメッセージが込められたお食事は、ウェルカムドリンクからメインに至るまでとても品よく丁寧にちりばめられている。押しつけがましくなく、とても自然に。
◇ウェルカム
お茶はクロモジやホーリーバジル、ミントなどが複雑に絡みあい、鼻にぬけるスッキリ感が心地よい発酵茶。
お酒は新潟県・阿賀野市のブルワリー、スワンレイクビールの上面発酵の黒ビール「Porter」。
お茶請けは山椒香るショコラテリーヌ、フレッシュな山椒の香りが心地よく、黒ビールとのマリアージュが完璧すぎてついついグラスが進んでしまう。
◇ディナー
早苗饗 −SANABURI−
田植えが終わったあと、その年の豊作を祈るのと同時に、
田植えに協力してくれた人々をもてなす饗応のことを、「早苗饗 /さなぶり」と言う。
二十四節気「立春の頃」
七十二候「魚上氷(うおこおりいずる)」
「大沢山の湧き水 その恵」
米 なら茸 香茸
「春夏秋冬の保存」
ぜんまい またたび 山胡桃 切干し大根
「寒の御馳走」
カジカ
「山の実り 畑の実り」
榧の実 むかご 大豆 無花果 薩摩芋
「冬と春のあいだ」
岩海苔 鮑 根曲がりだけ 里芋
「山と大地」
鮟鱇 雪室白菜
「雪室大根」
さといらず
「ごちそうごはん」
南魚沼の米仙人・清さんのコシヒカリ
「里山・さっぱり甘味」
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その日使った食材すべてから取れるお出汁を合わせたスープで胃を温めてからいただく。ローストした地元産の茸の下にはお粥が。
新潟の郷土料理「からしなます」を里山十帖スタイルにアレンジ。
それぞれの時期に取れる旬の素材を、一番おいしい時期にギュッとうまみを閉じ込めた保存食に。胡桃だれ、和からしと合わせた切り干し大根が絶品。カジカは別名「いしもち」
川底に沈むために石を胃の中に蓄えているのだとか
添えてあるごぼうが梅風味で唐揚げのカジカの箸休めにぴったり。自然薯や山芋の根っこにできるむかご、酢大豆、ゆでた落花生と
食味がすべて異なる山と畑の実りをまるでムースのようなフォアグラを合わせて。
ドライの無花果のほんのりした酸味に
和製アーモンドといわれる榧(かや)の実の香ばしさが風味をさらに引き立たせてくれる。
低温ローストし、ほんの少しのバターでキャラメリゼした薩摩芋と合わせると
口の中でデザートのような風味に。佐渡のおばあちゃんたちが手摘みでとったという岩海苔に柔らかく炊いた鮑と
根曲がりたけを合わせて。
海と山がほどよく調和しやさしいお味。
雪室で寝かせた白菜の甘味がぎゅっと濃い炊き合わせ。
鮟鱇のうまみに一切引けをとらない白菜の美味しさ。多種の大根を色々な調理法で、テンペと合わせてボリュームUP
大根のステーキが香ばしくて美味
サラダと一緒に合わせていただくつやつやピカピカの白米は「ごちそうごはん」の炊き方で
中火-蒸気があがり始めたら火を弱めるスタンバイ
湯気が途切れなくなったら、圧力をかけるために土鍋の穴を箸でふさぎ極弱火に
(しぶき防止のためふきんなどをかぶせておく)
極弱火で”ぷくぷく”が落ち着くまで待つ
鍋の真ん中の”煮えばな”(アルデンテ)部分をすくったら、すぐに蓋をして
極弱火のまま様子を見てタイミングを見て火を止める
ジャーーン!
見よ、この輝きを
まさしく銀シャリ。
最後の甘味も少しだけ。
無花果のコンポート、赤いものは新潟の伝統野菜の唐辛子「かぐらなんばん」
ふきとともに砂糖漬けして干菓子に。
こちらはコールラビのシロップ煮。
ここまでくるともうお腹が悲鳴をあげ始める。
里山の恵みを余すところなく、素材のエネルギーを最大限に生かすお料理たちは
美しくも、パワーに溢れていました。
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普段から発酵食を意識してはいたものの
こんなにパワー溢れる発酵食品でからだが満たされたせいか
胃がびっくりしたのかお腹がパンパンに・・!
苦しくてお布団でゴロゴロ、お風呂に入ってようやく落ち着いたというオチつき。
普段から環境の良いゆみえさんは何ともなく、
つくづく身体は食べたものでできている、を痛感した一日目でした。
発酵部屋ツアーに続きます。